新思潮 No.125 2014年3月号②
- 神戸北野吟行(2013年11月24日) ー 11月24日は、神戸北野での吟行が行われた。参加者17名。秋も深まってはいたが、良いお天気で歩くと暑いくらいの吟行日和だった。 |
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小春日の白き祈りの飛行機雲 | 月野しずく |
もみじひとひら虚空へ解いてゆくあした | 元永宣子 |
異人館では、「風見鶏の館」を見て、元気のある人は、オランダ坂を登り「うろこの家」へ。そこでは、2メートル以上のサンタクロースの人形が現れ、クリスマスモードになりつつあった。異人館界隈は、どこも阪神淡路大震災の復旧に苦労されたようだ。 |
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うろこの家の鱗を盗む詩人たち | 海地 大破 |
時はさび色嘗てを語るシャンデリア | みとせりつ子 |
ドラゴンの橇は走らず火を吐かず | 古谷 恭一 |
銃口にねむるさむいさむい手足 | 八上 桐子 |
不死想う 三角屋根の風見鶏 | 山内 洋 |
はにかんだ笑顔は遠くおらんだ坂 | 姫乃 彩愛 |
異人館 遠来の客用と決め | 前川 和朗 |
さびしい絵見た人たちの囲む幻火 | 岡田 俊介 |
昼食は、北野ではお洒落で有名なレストランでフランス料理を堪能した。その後も、北野をまわり、カトリック神戸中央教会では、美しいステンドグラスの聖堂で、集合写真を撮り思い出を作った。 |
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ジオラマに光あまねし聖家族 | 杉山 夕祈 |
静謐を敷き詰めている午後のモスク | 西田 雅子 |
らせん階段踏みしめていく祈り | 和田洋子 |
燈されぬ燭台に積む銀の刻 | 山崎夫美子 |
メンバーをまとめてくれた幹事の方々に感謝し、メンバーは別れを惜しみながら神戸を後にした。現在、神戸は12月の祭典ルミナリエで賑わっている。そんな、お洒落な神戸の街で、深い思い出を刻み、一期一会を宝にしたメンバー達であった。 |
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街中を幸せにしてパン焼きたて | 岩崎眞里子 |
KOBEにて林檎の薫りする人と | 寺田 靖 |
〈文・彩愛 2013.12.7記〉
※柳誌No.125-3月号には1人自選3句ずつを掲載しています。
杉山夕祈さんの吟行記と合わせてご覧ください。
※柳誌No.125-3月号には1人自選3句ずつを掲載しています。
杉山夕祈さんの吟行記と合わせてご覧ください。
2014.3.27