速報!新思潮青森研修句会
2014年10月18日
〈 合評会 〉会場 アップルパレス青森 司会 山崎夫美子 参加者 37名 ※事前投句雑詠3句 事前互選1人5句選(内秀句1句2点) |
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9点句 | めくらぶどうひとつぶずつのぎゃーていぎゃーてい | むさし |
握手する指紋も風もなき指で | 姫乃彩愛 | |
8点句 | 銀紙剝ぐ いもうとの雨になる | 八上桐子 |
飴色に笑ってしまえばいいのよ | 渡辺敏子 | |
7点句 | 哀しみよ魚のかたちで眠るとき | 伊藤寿子 |
美しい敗北たとえばレモンジュレ | 奈良一艘 | |
証言台に立たされているバナナの木 | 守田啓子 | |
6点句 | 彼岸花ならばふさわしわが標 | 矢本大雪 |
ひつじ雲ばかりでつくる終の家 | 渡辺敏子 | |
5点句 | 踵から海月になってしまいけり | 福田文音 |
八月の自転車に積む火の記憶 | 角田古錐 | |
のうぜん花ほろほろほろと袋とじ | 熊谷冬鼓 | |
アンパンの趣意書 未読のまま歯型 | 菊池 京 | |
ギリシャ神話の間を縫ってゆく眠り | 岡田俊介 | |
朱の文字になれた日もある青インク | 氈受 彰 | |
にぎりこぶしをひらく月光浴びてから | 山崎夫美子 | |
4点句 | 電線が切り取る空も詩のかたち | 氈受 彰 |
潮騒をポプリの壷に眠らせる | 西田雅子 | |
かぶとむし金剛力をもって死す | 矢本大雪 | |
いつになったらわたしに船が出るのでしょう | 笹田かなえ | |
混沌へいつかは戻す蝶結び | 寺田 靖 | |
3点句 | そのなかで人を待ちたい風景画 | 寺田 靖 |
睡れば死なむ言の葉崩すふた夜 三夜 | 西条眞紀 | |
弁解はしないがかなり積乱雲 | 守田啓子 | |
とんぼ二匹秋の油断をくりかえす | 坂根寛哉 | |
水面を壊せず沈むボールペン | 福井陽雪 | |
積みあげた石がくずれて夏終わる | 福田文音 | |
村一つ消え繚乱の蕎麦の花 | 角田古錐 | |
さくらんぼたわわ木の間の家族葬 | 伊藤寿子 | |
曖昧なままの終止符夏の午後 | 熊谷冬鼓 | |
吊り革で揺れ続けてる般若経 | 角田古錐 | |
2点句 | 白鳥は北へわたしはまだ此処に | 斉藤綺羅 |
閃光に佇む蛇を飼う少年期 | 山内 洋 | |
誕生石 涙の音の沁みてゆく | 鮎貝竹生 | |
中心を明かさぬつもり楕円形 | 里村光子 | |
GPSで妥協の位置を確かめる | まきこ | |
ちょっと前進早起きをしてバスに乗る | 坂根寛哉 | |
眠たげにオカリナの口欠けている | 八上桐子 | |
ティーカップ ノイズの中の本音聴く | 里村光子 | |
散骨の瞬間山は音を消す | 福井陽雪 | |
ピリオドを落とし逆走する犀の群れ | 山崎夫美子 | |
遠い森背負って渡る平均台 | 西田雅子 | |
群像と化す人々に月の暈 | 岡田俊介 | |
できること数えて今日の傘閉じる | 熊谷冬鼓 | |
合わす手の帆先に無表情の雨 | 菊池 京 | |
百光する沖あれはあの人逢いたい人よ | みとせりつ子 | |
珈琲はいつだってモカここが始まり | 吉田州花 | |
自叙伝を閉じる リボンを靡かせて | 岡田俊介 | |
微妙な日男が花を買いにゆく | 坂根寛哉 | |
見上げれば足にこぼれるお月さま | 岩崎眞里子 | |
※柳誌には選者名と合評の詳細(鑑賞等)を合わせてご紹介します。 |
2014.10.24