

速報!新思潮壱岐研修句会
2016年11月5日
〈 合評会 〉会場 ステラコート大安閣 司会 山崎夫美子 参加者 33名 ※事前投句雑詠3句 事前互選1人5句選(内秀句1句2点) |
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8点句 | 朝露の一滴 長い夢だと思う | 西田雅子 |
心音か夕日ごくりと呑む音か | 酒谷愛郷 | |
未使用の空と押し花眠る手帖 | 西田雅子 | |
6点句 | 魚のいる夏を流れる線で描く | 岡田俊介 |
指切りの指黄昏て第二章 | 山下華子 | |
5点句 | 導火線の長さは知らず火をつける | 藤本健人 |
手の届く位置にあなたが居る安堵 | 瀬川伸幸 | |
ぽろぽろと夢つぎこぼす欠け茶碗 | 松村華菜 | |
4点句 | 結界の辺りに水を打っている | 酒谷愛郷 |
手を洗う黒の抜け落ちゆく夜に | 姫乃彩愛 | |
寄り添うて大和のこころ石蕗の花 | 雪竹春菜 | |
なぜと言う君に私は揺れている | 山下華子 | |
葉月の蒼へ消えていったという線路 | 太田のりこ | |
舟になるフランボワーズな夜だから | 西田雅子 | |
蝶を止まらせ 海の香のする異人坂 | 岡田俊介 | |
一瞬は永遠蟹の横あるき | 酒谷愛郷 | |
闇ゆれてあやかしと行く秋の夕暮れ | 吉見恵子 | |
3点句 | いっぱいいっぱいの雨降り花が咲いている | 福田文音 |
石榴爆ぜて元の無垢へは戻れない | 松村華菜 | |
転た寝の夢のはざまに薫る合歓 | 横山幸子 | |
如月の夢のかたちに抱かれる | 野田伸吾 | |
文例になくて躓く秋半ば | 山崎夫美子 | |
老い海女も人魚になれる夏の海 | 竹尾久恵 | |
八日目の冷たい蝉を抱く童女 | 藤本健人 | |
蜘蛛の糸 孤独の刑はまだ続く | 松村華菜 | |
稲妻で区切りをつけて横になる | 雪竹春菜 | |
哀しみを藍き氷柱の閉じ込める | 野田伸吾 | |
海峡が吠えてカモメは朱に染まる | 福井陽雪 | |
月を恋うチェロのひびきも夏の果て | 岡田俊介 | |
亡師の影のくっきりとある風の街 | 野田伸吾 | |
息のかかってかたむいてゆく船か | 八上桐子 | |
冬濤を聞けとのぼるの目が据わる | 中野千秋 | |
2点句 | 追い詰めて踏んではならぬ人の影 | 松永扶巳 |
すでにもう雪の重さになっている | 八上桐子 | |
秋の月スラリ脚線美を活かす | 辻 嬉久子 | |
晩夏恋歌最後の息を吐き切って | 太田のりこ | |
桜貝恋を拾いに夏の海 | 下川詳子 | |
友の忌に泣いていいよとジャズが鳴る | 篠崎絹代 | |
ハンカチに布の目耳の目今朝の秋 | 中野千秋 | |
被曝マリアの黮い眼に見射られる | 松本篤世 | |
心乾くことのある夜は月を酌む | 川上甫釦 | |
道連れは赤いバラより白椿 | 川上甫釦 | |
御破算にしたのに涙つきまとう | 篠崎絹代 | |
半透明のビニール叔父の高知弁 | 八上桐子 | |
霧になりきれない不在証明書 | 中野千秋 | |
雷鳴の一ヶ所ラデッキー行進曲 | 辻 嬉久子 | |
二人の手眠る頃には夜も白む | 川上甫釦 | |
※柳誌には選者名と合評の詳細(鑑賞等)を合わせてご紹介します。 |
2016.11.13