速報!新思潮小樽研修句会
2017年10月14日
会場 オーセントホテル小樽
司会  山崎夫美子
参加者 27名
〈 合評会 〉
※事前投句雑詠3句  事前互選1人5句選(内秀句1句2点)

9点句 ほほえんだままで密封されている 八上桐子
6点句  もう風に半分なっているリボン 西田雅子
5点句 死者たちも独りと思う夕灯り 杉山夕祈
  転がらぬボールがふたつ 冬の部屋 氈受 彰
八月の樹木のように水を飲む 吉見恵子
ひまわりはゴッホを咲かせたことがある  岩渕比呂子
4点句  度忘れ煮崩れ横揺れの激しさ 林 勝義
陽のあたる障子 善なる彩として 氈受 彰
  一ページの海の重さにかすむ舟 伊藤寿子
この先はオーダーメイドの舟でゆく 岩渕比呂子
  花の香の微かに母の声拾う 林 勝義
  防人のごと一本の夏木立 中野千秋
人々の個性が消えてゆき 梅雨に 岡田俊介
  亡父(チチ)と啼き風の軽さに納まりぬ 杉山夕祈
3点句 旅先の人のはなしはしじみ蝶 八上桐子
  心得ちがいのまま桃語を零す  澤野優美子
生きざまの回り舞台も新盆に 斎藤はる香
しずかに秋に 夏の嵐を耳朶に 岡田俊介
  ポラリスへ切手連なりゆく夜空 西田雅子
  仮想死はつづく安楽椅子が揺れ 新井笑葉
淋しくて窓から覗く月を待つ 清水ひろ子
  投函ができぬ手紙と冬ごもり 菊池ひかり
検算をしても わたしという答 氈受 彰
  静かに狂う銭の匂いのする方へ 林 勝義
  背開きにしてから海に帰される 浪越 靖政
  アイロンを滑らす午後の鬱蒼に 山崎夫美子
  ひまわりの低姿勢なら信じよう 細川不凍
2点句  昭和史の破船静かに抱く運河 菊池ひかり
まなうらに焼きつく青となる青磁 新井笑葉
左脳からLEDに替えてみる 浪越靖政
  福耳が枕に沈む お静かに 一戸涼子
一話完結 生きるとはそんなもの 元永宣子
  あめんぼは水泳講師雨あがる 吉田健治
  幻影が手招きをする寺の門 斎藤はる香
  茶碗鳴らすのがわたしたちの舞台 一戸涼子
  絞り切る檸檬さよならの前に 浪越靖政
  鬼灯に魂の音聴く夕間暮れ 元永宣子
  月光を足して銀色の告白 伊藤寿子
  くちなしが去年の溝を埋めにくる 秋田あかり
  点描の夜空を寝かす擦りリンゴ 澤野優美子
  精霊が納戸の奥に佇っている 吉田健治
※柳誌には選者名と合評の詳細(鑑賞等)を合わせてご紹介します。
2017.10.23


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